バイオベンチャー創業記 eltrombopag

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eltrombopag

  • 2006/06/20(火) 09:55:15

GSKがeltrombopagのPhIIのデータを公表した。

gsk


eltrombopagは血小板増多因子(Thrombopoietin(TPO):スロンボポエチン)の受容体であるMplの低分子アゴニストである。

これには実は忸怩たるものがある。

TPOはブロックバスタードラッグとして
有名な赤血球増多因子(Erythropoietin(EPO):エリスロポエチン)や
顆粒球増多因子(G-CSF)の次に来る因子として
1994年頃に激しい開発競争が繰り広げられ、
私が前にいたキリンビールもその中にいた。

特許は入り組んでいたが
少なくともキリンも強力な特許ポジションを持っていた。
最初にクローニングに成功したグループとして
開発も先頭を走り出したが
当時のトップの判断はAmgenとの共同開発であった。
いわばEPOやG-CSFと逆のシナリオを描いたのだろう。

TPOは
血小板減少性紫斑病(Immune Thrombocytopenic Purpura(ITP))のような疾患や
がん治療に伴う化学療法後の血小板現象に対する治療薬として
非常に大きな期待が寄せられており
大きなマーケットも期待できた。
間違いなくブロックバスターになるポテンシャルを持っていた。

開発はキリンの製造周りの強さと
アムジェンの開発力を併せて
結構良い線をいっていた。

ところが副作用が出たのである。
これは副作用というよりは
むしろ「効き」が良すぎたのである。
血小板が上昇しすぎるのである。

紆余曲折を経て
キリンは中止判断を下した。
それに先立ちAmgenも中止判断を行った。

これが今、こういった形で
GSKに拾われ
薬としての姿を現そうとしている。
キリンも同じことをできるだけの道具立ても
研究能力もあった。
でもやらなかった。
開発グループにいたものとしては
非常に悲しい気がしたのを今でも覚えている。

実はこれは
僕がキリンを辞めた理由の1つになっている。


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  • From: さまざまな医薬品 |
  • 2007/08/25(土) 12:05:26

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