バイオベンチャー創業記 Structured Financeが今後流行る予感

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


haruhicomをフォローしましょう

Structured Financeが今後流行る予感

  • 2011/05/19(木) 00:00:01

BiotechのStructured Financeというのは一時期流行って
LLPに移したIPをベースにDebtファイナンスをしたり
製薬会社がTracking stockをつかったりとしたのですが
2000年ぐらいに一旦絶滅しています。
GMなど多角化した企業が非主流部門のコントロールを握りながら
バランスシートから仮想的にoff-setできたりするのに良いとされたわけですが
ビジネスの主流回帰論と複雑すぎてConflictが生じたりしたことが主因だと理解しています。

Genzyme to end tracking stocks

ところがここへ来て資金環境と製薬会社のライセンス姿勢の変化によって
また復活の兆しを見せ始めていると考えます。
背景にあるのは次の2つの環境変化です。

1. 資金の流動性収縮によりIPOマーケットが不調
2. 製薬会社が一括買収ではなくOptionやContingencyを多用してリスクをヘッジするようになった

ベンチャー投資には経営リスクの他に
2つの大きなテクニカルなリスクがあって
1つは当然開発リスクになるわけですが
もう一つは流動化(Liquidization)リスクです。

医薬品の開発は上手く進んだところで、
臨床試験は後期になると金額が跳ね上がりますから
大型の調達をして自社で開発をするか
製薬会社のパートナーを見つけて
後の資金負担をして貰えない限りは
上市への道もできませんし、それまで投資したVCとしても
リターンを回収することができません。
VCにしてみれば、開発リスクの高いところを埋めるわけですから
PoCから承認まではバトンを渡すつもりでいるわけです。
そしてそういう約束をLPとしてファンドを設計してきたわけです。

ところがここへきて上記の2の理由により
製薬会社がVCにリスクのさらなる負担を強いる構図になっています。
つまり、これまではPoCの段階で、Due DiligenceをしてOKとなったら丸ごとお買い上げだったのを
取り敢えずアップフロントでいくらか払って置いて、
ContingencyとしてこれこれのMilestoneを実現したら
あとおいくら払いましょうという話です。

5月の日本は連休中の間のサンフランシスコで
Deloitte Recap主催のALLIANCEが開催されていましたが
そこでもそのトレンドの変調については議論されております。

At Allicense, VCs Avoid The Creep

さて、こうなるとVBもVCも資本政策を大幅に変えなくてはいけないわけですが
上記のリンクにも議論されていますが、Ablexisは少し面白いストラクチャーを実行して
IN VIVO2010 deal awardに選ばれています。
(注:Celgeneに買収されたAbraxisではないですよ、Ablexisです。)
ビジネスはヒト型抗体を作るためのTransgenic mouseのプラットフォーム提供なのですが
ディールはそれはこんなストラクチャーです。

i) pfizerを含む製薬5社がコンソーシアムをつくって、所場代として数千万円(7 digit payment)ずつ払う
ii) AlivaMab Mouse技術を使って抗体をデリバリーできたら数億円の支払いと引き替えにnon-exclusiveのライセンスをAblexisから受けることができる。

まあ当たり前っぽいのですが
製薬会社を5社集めて同じ条件の契約書にサインさせるというのは神業に近いですよ。
あと下記の会社のPress releaseからはあまり分かりませんが
そもそもこの会社の形態は株式会社ではなくLLCなんですね。そうファンドと同じです。
つまり投資家が会社のリターンをMonetizeしやすいようにしている点と
あと副効用ですがTaxが減免されるこ点がちょっと細工をしているのです。

Ablexis Forms Five-Member Pharmaceutical Consortium to Fund Technology Development
(後段の苦労話のパートは笑えるので是非最後まで読んで下さい)

なお、これに先立ちAblexisはThirdrock VenturesとPfizer Venture Investmentから
合わせて$12MのSeries Aファイナンスを受けています。

まあこうして環境に順応するあの手この手が
おそらくここから出てくることになるんではないかと思っています。

他の事例もそのうち書きますね。


haruhicomをフォローしましょう

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。