バイオベンチャー創業記 武田も海外へ

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武田も海外へ

  • 2009/04/19(日) 12:00:01

本日(2009/ 04/ 19)の日本経済新聞朝刊p.9の記事、
「製薬大手、海外展開なぜ苦戦?」―武田薬品工業社長長谷川閑史氏(そこが知りたい)
で長谷川社長は記者の

「なぜ日本の製薬大手が海外で苦戦するか」

という質問に答えて

「他社のことは分からないが、六月下旬に米食品医薬品局(FDA)の承認が得られる予定だった当社の糖尿病薬候補の承認時期が不透明になった理由は、こう分析している。FDAが新薬承認の際に示す規制は結果的に世界の流れとなるのに、我々は開発本部を日本に置き、そこからFDAの動向を見ていた」

とコメントされている。

最近武田はこの分析に基づくのか
大きな組織再編を行い
社長直下の3つの統括職
(1)研究開発統括職(EVP, Chief Scientific Officer)
(2)海外販売統括職(EVP, International Operations)
(3)経営管理統括職(Chief Administrative Officer)
を新設して
うち研究開発統括職および海外販売統括職を
武田アメリカ・ホールディングス株式会社(米国ニューヨーク州)に配置した。

参考:世界的製薬企業の創生に向けたグローバル運営体制の強化推進について

聞くところによると
各統括職はスタッフをひきつれて渡米するということで
これは企業の頭脳を本格的に移動させる変革になるものと思われる。


長谷川氏も分析されるように
世界の開発の中心は
残念ながら米国を中心に
あるいはFDAを中心に動いているといっても過言ではない。
その環境下で
株主側の利益を尊重して
企業の医薬品開発を最適化、最速化しようとすれば
よりFDAをにらんだ体制にせざるをえない。

日本にもすぐれた開発人材はいるが
主導権を米国に握られた現状においては
よりFDAを知った人材に頼らなければならない。
もう少し正確に言うと
刻々と変わるFDAに対応できている人材が
肝になると言わざるを得ない。

果たして、これが日本にいる人材で可能か。

インターネットがこれだけ普及した世界においても
情報は口コミであるいは肌感覚を通じて伝搬するものである。
その時にそういったループの中に
身を置いているのといないのとでは
大きな差が出るものと思う。

我々の会社は極端な米国シフトをしているが
これは現状への対応として
我々の信じるバイオベンチャーのためのビジネスモデルの検証作業でもある。
現在までのところ優秀な人材に支えられ
これは成功していると確信しているが
ゴールまでこれが到達すれば
一つのモデルとして受け入れられると思っている。
今後よりモデルの精度を高めなければならないだろう。

一方で今回の武田の改革はインパクトがある。
日本がバイオで産業を形成としようとするならば
世界をリードする制度とシステムが必要であると考えるが
今回の武田の変革を
産業界と当局は
危機感をもって受け入れるべきだろう。


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この記事に対するコメント

初めまして

いつも興味深く記事読ませて頂いています。

>今回の武田の変革を
>産業界と当局は
>危機感をもって受け入れるべきだろう。

何となく危機意識は持っているものの、あらためてドキリとしました。これだけ期待をかけているiPS細胞でさえ体制の差が日米間で歴然…
「日本が国を挙げて戦略的に注力している産業は何?」という問いに対して答えが浮かばないのが不安です。

  • 投稿者: leolio
  • 2009/04/21(火) 00:36:36
  • [編集]

コメントありがとうございます

USと日本の両方を見るにつけ
産業を作ろうという国家の意志に
大きな隔たりがあるのを感じます。
現状維持に精いっぱいの官僚機構と
改革の志を持たない政治家に
失望する次第です。
民から変えられるように頑張りましょう。

  • 投稿者: Haru
  • 2009/04/23(木) 21:11:49
  • [編集]

日本の新薬審査は異常

CTN時に販売時並みの製剤データ要求したり、NDA時にはヒトで臨床効果が確かめられているにもかかわらず、動物の薬効薬理の追加データ要求したり。
民族差というわけのわからない項目をICH(E5)に盛り込んだり。それをマジメに議論している製薬会社、役所、医者達を見るとお先真っ暗です。おっと、愚痴ってしまいました。

  • 投稿者: NN
  • 2009/06/21(日) 21:33:46
  • [編集]

武田のみならず大手製薬も海外へ

今日の新聞によるとエーザイも海外に研究をシフトするようですね(こちらはUK)

研究分野を見ていると日本のLabは日本人研究者だけで小さなコミュニティーでなかなか外の血が入ってこない。まだまだ昔気質の「研究者」が幅をきかせて、硬直化しています。薬を実用化(=認可をとる)ための効率化をしようという意識がてんでない。一方、NDAパッケージを教科書通り作り上げることと当局の(ナンセンスな)質問への回答案作成(それも馬鹿正直)に汲々としているのを見ると、これまた暗澹たる気持ちになります。

  • 投稿者: NN
  • 2009/07/04(土) 21:22:51
  • [編集]

日本でもう1回pivotal試験やれってか?

いろいろな会社が日本での開発をあきらめてきている理由は、例の「民族差」論に基づいた「海外試験データ」を認めない点にあります。もちろん、ブリッジングとかでつなげればOKと言っていますが現実的には不可能でしょう。(一部無理やり屁理屈をつけて通した例も過去にはありましたが)

そうすると基本的に海外でやったのと同じpivotal試験を日本でrepeatことになりますが、海外でmultinational studyでやっとこさ数千例を集めたのにこの小さな日本だけで同じ症例数を集めることはまず不可能。 
一方、日本のmultinational試験への参加も議論盛り上がっていますが、やれ前もって日本人のP1が必要だとか、日本語のProtocolが必要だ、とかconcomitant drugの問題も考えるとハードルがめちゃめちゃ高い。
これまたお先真っ暗です。医薬品機構の「Drug lag解消」なんて標語はちゃんちゃら可笑しいですな。

  • 投稿者: NN
  • 2009/07/04(土) 21:36:31
  • [編集]

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