バイオベンチャー創業記 バイオベンチャーの投資的存在意義について

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


haruhicomをフォローしましょう

バイオベンチャーの投資的存在意義について

  • 2005/11/23(水) 07:52:51

バイオ関連の方の結構な割合が日経BP社が発行しているメールマガジン
BTJ /HEADLINEを読まれていると思いますが、11/21号(第 762 号)に「ベンチャーによるベンチャー投資ブームに思う」という記事がありました。

内容はバイオベンチャーが調達した資金をを使ってファンドを組成し、投資をするのはいかがなものかという内容です。理由は昨今のそういった投資ブームへの傾倒に疑問を感じるということでした。

私も一部賛成しますが、違った論点で議論して見たいと思います。それはバイオベンチャーへの投資の意義と言う観点です。

この議論をするに先立ちファンドの性格がどのようなものかを考えてみる必要があると思います。このようなCorporate fundは大きく2種類あるはずで
1.自社のバリュエーションの能力生かしリターンを狙ったもの
2.自社のビジネスとのシナジーを狙った戦略投資型のもの
になるかと思います。

IT業界でもMicrosoftやCisco Systemsをはじめとして
成長してポジションを固めた企業は2.の戦略型投資を行っていて
ある程度の成功を収めているので
結果的にも否定されるべきものでは無いと考えます。

資本の論理からいえば、より高いリターンを(なるべく低いリスクで)出せる「システム」にお金は流れるわけですから、
a) 価値以上に低くバリュエーションされている場合
b) 自分たちが将来的に価値以上に高く売る能力を有している場合
c) 自分たちが何らかの形で投資対象に付加価値をつけられる場合
d) 自分たちの既存の財産に対して付加価値向上にはたらく場合
e) かつそのリターン率が他への投資に対して高い場合
投資は肯定されるはずです。
また、分散投資になりますから、
ポートフォリオ理論的にはリスクを減らして高いリスクリターンを実現できることになります。

ところが、バイオの場合にはITとは戦略投資の意義が少し様子が異なります。
基本的にはバイオベンチャーの価値は個別のプロダクトの価値の合算に近く、
バリューチェーンの補完を目的に投資をするIT業界ほどは
要素間のシナジーは効いていません。
したがって、こういったファンドを通じたほかのプロダクトの投資は
株主の選択肢を狭める効果の方シナジーよりも強くなってしまう場合があります。
これはバイオベンチャーの
「単数あるいは少数のプロダクトへの投資機会の提供」
という投資的意義にに由来します。

資本の提供者はそれぞれ好むリスクリターン率が異なります。
ある人はハイ・リスク・ハイ・リターンを望み。
ある人はロー・リスク・ロー・リターンを望みます。
これはそれぞれにポジションが違うので
正しいとか間違っているという性格のものではありません。
一般的には特定のベンチャーへの投資は
ハイ・リスク・ハイ・リターンであり、
その投資が何らかの理由で「自分は」リスクが低いと感じたり
リターンが高いと感じているから投資を行います。
それはその「特定の」投資対象に対して
そのような判断がなされているわけです。
また、ある人はある病気をわずらっていることから
その病気に対する治療薬を開発する「特定の」薬あるいはベンチャーを
「応援したくて」投資をします。
そうすると、そういった薬や会社を束ねてひとつの株を割り当てることは
特定の対象に投資する「機会」を失わせることになります。

バイオベンチャーは利益あるいはその成果としての薬を通じて
社会的に貢献することにより存在していると定義するならば
特定の薬あるいはビジネスモデルに対する投資(応援)機会を
株主に提供することには重要な意味があるわけです。
そうでなければロー・リスク・ロー・リターンの
ファンド・オブ・ファンドのような製薬会社が存在すればいいことに
なってしまいます。

結論的にはあくまでも投資家との対話の中で
そういった方向性が確認されればファンドの形成もありだとは思いますが、
「単数あるいは少数のプロダクトへの投資機会の提供」という投資的意義からすると
「しないでもいいこと」
であると考えます。

by H


haruhicomをフォローしましょう

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。