バイオベンチャー創業記 零細製薬会社か有力ベンチャーか

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零細製薬会社か有力ベンチャーか

  • 2007/09/23(日) 16:09:48

pfizerが合理化に伴って閉鎖する中央研究所(愛知県知多市)が
EBOによって創薬ベンチャーになるそうです。

(というか構想がある)


多くの皆さんが既にご存じのように
EBOとはエンプロイー・バイアウト(Employee Buy-Out)の略で
従業員による事業の買収や経営権の取得です。



詳しい事情は知りませんが
このスキームはいくつかのアドバンテージと
そしてチャレンジがあると思われます。

まず最大のアドバンテージとしては
ある程度のスケールがあるので
まとまったCapabilityを一気に持てることにあるはずです。
ベンチャーで苦労することの一つは
人材の確保ですが
元々それなりの人が揃っていて
能力についても分かっている訳なので
これが確実に確保できるかは別にして
そこにいることは大きな強みです。
また既に稼働しているシステムがあるので
助走をつけないでもいいのは
非常に大きなメリットです。


一方でmajorなチャレンジとしては

 1. どこまでのアセットを切り出せるかという問題
 2. 最初から大きなburn rateを抱えること
 3. マインドセットの転換
 4. マネジメント

があげられると思います。

まず1に関しては
当然pfizerは欲しいものは持ち去るので
出がらしのような知財だけが残る可能性があり
また人材に関しても草刈り場になって
他の製薬会社が優秀な人材から引き抜きを行い
残りカスだけになってしまうことも
一般論として危惧されます。
特にこれは時間がかかればかかるほど
状況は悪くなるに違いないはずです。

ただ、たとえばSynta Pharmaceuticalsのように
そういうbuy outが成功した例は
それなりにあるわけで
スキームの作り方次第だと思われます。


2に関しては3年分の運転資金として
100億円の調達を目指しているそうですが
大体一人当たり年間費用を3000万円で計算すると
80人で24億円で3年で60-80億円と予想できます。
つまり初期に20-40億円ぐらいで
pfizerからアセットを買って
年間20-25億円で回すというモデルです。
期待値としては3年後にバリューが
250-300億円になるということだと思いますが
ステージが浅いこともあるので
なかなか到達するのは難しいような気がします。

また最近のファイナンスの環境を考えると
いきなり100億円の調達をするのは難しく
50-70億円ぐらいしか調達できない気がします。
もし調達に成功すれば
いきなり日本で最大規模の創薬ベンチャーができますね。


3が結構難しいと思うのですが
ベンチャーと製薬会社では
戦い方が結構違って
どう転んでも予算が多少変動するだけの大会社と違って
目標未達だと会社がクラッシュするベンチャーでは
目標に対する執念のようなものが違います。
これは頭で分かっていても
それを肌で理解するのはなかなか大変だと思います。
マインドセットのコペルニクス的転換を必要とします。
これが従業員の末端に及ぶまで
浸透させることはなかなか骨が折れそうです。

先に助走をつけないでもいいのは
メリットだとは書きましたが
逆に今までの方法で走ったのでは
途中で腰折れになるリスクは付きまといます。
今までのやり方を見直すことも
当然必要になるでしょう。


そういう意味では4のように
マネジメントがそれを理解して
適切なシステムと運用を実現することが重要です。
本当に理念や目標を共有できて
リーンなチームを構築をつくることが
経営のセオリーでしょう。
恐らく最初のステップとしては
護送船団にならないように
今残っている80人にすらメスを入れて
「本当に必要な」60人ぐらいに
絞り込める冷徹さがあるかどうかでしょう。


零細製薬会社になるのか
有力ベンチャーになるのか
ちょっと見てみたい気がします。


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