バイオベンチャー創業記 臓器移植について考える

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臓器移植について考える

  • 2007/02/04(日) 22:12:27

TBSの報道特集の今日の内容は
「腎臓の再利用ー医療を揺るがす大騒動 」
でした。
これは宇和島徳洲会病院の万波医師による病気腎移植を背景とした話です。

大きな話題になりましたが
実は病気腎移植は米国でも行われています。
がん患者さんの腎臓の移植がその移植の中身ですが
ガンは遺伝病であって感染症ではないという考え方が背景にあります。
この科学的な部分の詳細は今回のテーマではないので
ここでは議論しないことにします。

この問題は移植の実態をあまりご存じないかたには
トンでもないような話に聞こえるかもしれませんが
背景には移植を希望してやまない患者さんがいることがあります。
末期腎不全(ESDR:End Stage Renal Disease)の状態においては
透析と移植が唯二の選択肢であり、
それ以外の選択肢があるとすると「死」のみです。
この現状を抜きにしてこの議論はできないはずだと考えますので
少し皆さんにも実情を知った上で考えていただきたいと思います。

人工透析を必要な患者さんは
糖尿病の増加などを背景にして増加の傾向にあります。
(参考)日本の透析患者数
透析患者数

(参考)アメリカの末期腎不全患者数と予測
ESDR


透析は2種類あり、透析施設で週に2~3回、4~5時間かけて行うものと
透析液の入ったバッグを携帯して3~4時間おきに自分で交換するCAPD法です。
透析施設に通う方が多いのが現状ですが
きわめて煩雑で、普通の社会生活を営むことは著しく困難になります。

また、経済的負担も大きく、年間600-800万円(米国)のコストがかかります。
移植を受けるためには1回当たり350-500万円程度の費用が必要になりますが
その後は一般的な診療と投薬を受けるのみになりますので
患者さんの負担は非常に軽くなります。
透析を続けると年間数百万の経済負担がかかり続けることになります。

さらに人工透析のために必要な血管の確保も問題で
度重なる針刺のために血管がボロボロになってしまい
最後には針刺できる場所がなくなってしまうようなケースもあります。

上記のようないくつもの理由で極めてQOLの悪い病気であるといえます。
Journal of the American Society of Nephrology March 2005 ( Volume 16, Number 3 )
"Suicide in the United States End-Stage Renal Disease Program"
によると、ESDRの方の自殺率は9.6%で
一般の自殺率平均に比べてきわめて高く
ESDRの死因の第1理由になっています。
こういった透析患者さんにとって
腎臓移植は誰もが望む唯一の希望の光になっているわけです。

データによってばらつきはありますが
米国では3万例以上の移植が行われており
その半数以上が腎臓移植です。
ドナーの数がとにかく律速になっていますが
腎臓移植の例数が多いのは腎臓が2個あり
それが別々に移植されることに起因しています。
2番目以降は肝臓、心臓と続きます。

移植数


ここで非常に明らかなのは日本の移植例の少なさで
透析患者数は米国同様に増加を続けているにもかかわらず
移植数は横ばいを続けています。
これは死体移植がほとんど行われないことに起因しています。
米国など諸外国では死体移植が約半数を占めます。

日本における移植数の推移
日本の移植数

(出展)臓器移植ネットワーク

「脳死」についての日本に特有の倫理観と治療指針があり
これが障害になって死体移植が行われないというのが現状です。
まずは移植と透析に対する理解が問題解決の糸口です。
ぜひ皆さんにも移植事情について知ってもらいたいと思います。




さて以上が移植の背景と実際のなのですが
これを踏まえて改めて今回の移植問題を考えた場合に
皆さんはどのように考えますか?

万波医師は実は日本でも指折りの移植例数をもつお医者さんです。
先生の移植によって救われた患者さんも数知れずおり
先生を慕ってやまない患者さんも多数いるというのがあまり報道されていない事実です。

もしあなたがあるいはあなたの家族が透析を受けることになったら
あなたはどのような選択肢を取りますか?

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