バイオベンチャー創業記 抗体作成ひとむかし

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抗体作成ひとむかし

  • 2006/09/07(木) 18:29:12

カイオム社が抗体を1週間で作れるようになったらしい。
昔、開発の一部として抗体作成をやっていたことがあるが
そのころのことを思うと画期的な話である。
昔は(というと爺さんみたいだが)抗体作成には数ヶ月かかった。
抗体を取るために先ず抗原を準備し
それは適したエピトープを抗原から探し出してペプチドを合成したり
抗原を産生する組換え体を作って培養後に精製したりする。
さらにライン化するためにはマウスに抗原を投与して
立ち上がってくるB細胞を不死化させ
ハイブリドーマにした上で何千というクローンのなかから
最適なものをアッセイをして引き上げる作業がいる。
これは本当に骨の折れる作業であった。

まあただ医薬品をとしてよい抗体を取るためには
よい抗原を準備する必要があり
そのためには立体構造が修飾を含めて生体のものと類似していることが重要だったり
それを精製度を上げて取得する必要がある。
この部分は抗体をとる技術が上がっても変わらず大変なところなのであろう。

ちなみにヒト抗体医薬を開発するには
大きく2つのステップがある。
1つは抗体をとるステップ
2つ目は抗体をヒト化するステップである。

今回のカイオムの技術は1番目に関与するものであり
いい抗体を獲得した後に医薬品として開発していくためには
2つ目のステップを踏まなくてはならない。
鳥の抗体というのが
マウスとヒトの間のように抗体認識部位の移植が簡単にできて
ヒト化できるものなのか分からないが
いずれにしてもそういった技術と組み合わせなければ
医薬品にはならない。
単純に分析や検査のためにさし当たって抗体が必要だというならば
恐らくこの1番目のステップだけで十分である。

2番目のステップの技術を持っているのは
PDLCAT(AstraZeneca)だったりする。
また1番目と2番目を併せて抗体を取る技術は
KirinやMedarexのヒト抗体マウスであったり
MorphotekMorphosysなどの技術であったりする。
ただ請負でやってくれるところは少なく
パートナリングが前提になっていたりする。
Morphosysに関しては日本ではGeneFrontierが
「抗体職人」というサービスを提供している。

ちなみに全くの余談だが
最初に僕に抗体の知識をつけてくれたのは
某キリン者のTさんである。


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