バイオベンチャー創業記 2009年05月

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あたらしいエコシステムはあるか

  • 2009/05/28(木) 00:00:01

日本の会社が軒並みインフルエンザで出張を自粛したので
ほとんど日本人を見かけないBIOとなりまして
アメリカの会社の人からは
日本の会社にミーティングをキャンセルされたと
私の責任のように詰め寄られたりしたのですが
それはこの人この人の責任だと言っておきました。

バイオ業界も
口を開けば二言目には資金難の話が出るわけで
企業サイドも投資家サイドも
相当資金的には痛んでいるのが実感されます。
資金的に傷んだVCは
リスクが低く短期的な回収が可能な
Late Stageの案件にかろうじて投資の目が行っている状況です。

また一方で製薬会社は
2010年問題といわれる主要品目の特許切れ問題に加えて
2013年に来るといわれる"patent cliff"により
$140B(約14兆円)の売上減少
あるいはpost dividendベースで年間$50Bもの
利益が減少することが予想されているので
この溝を埋めるべく新しい導入品目を模索しています。
しかしながら4年以内というのは
かなり差し迫った状況のため
Late Stageのプロダクトを中心に見ています。

Pharma→Late
VC→Late

こうなると
"who funds early" (誰がアーリーステージの会社を育てるのか?)
という問題が生じています。

いずれのplayerも
この状況を続けると
将来のLate Stageの案件が枯渇するのは見えているので
行ってみれば焼畑農業をしている認識はあるのですが
現状ではひたすら「国頼み」になっているようです。

しかしその国にしても
将来的にきちんと国民福祉と産業育成・創造という形で
回収できる助成でなければ
合理性を欠くことになるわけですから
リターンが返せることが前提となります。

この新しい市場環境、資金環境下で
参加者であるところ国、投資家、製薬会社、バイオテック企業、それらの従業員の
誰もが意欲をもって参加できるような
新しいエコシステムが求められています。
これから数年でみんなでもがいて
作り上げていくことになるのでしょう。


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日経新聞夕刊にでております。

  • 2009/05/26(火) 23:59:59

26日日経新聞夕刊に
当社サイエンティフィックファウンダーの石井先生が登場。

「拓くひと」
花粉症 発症を抑える治療薬研究

なんと1面!
しかも全身カラー写真。
nikkei4

ちなみに下掲は我々とおなじく
アメリカ(シアトル)のバイオテック企業で活躍されている
アキュセラの窪田社長に関する記事
[ 漂流経済 ]
新薬発見、日本人の手で
失明率1位の難病治療―アキュセラ社・窪田氏

 


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防衛か、共存か

  • 2009/05/15(金) 00:00:02

このブタインフルエンザ災禍の中
普通にアメリカへと出かけたわけですが
聞くところによると
多くの会社で渡航禁止あるいは自粛令が出ているようで
ビジネスクラスが特にガラガラなのは
そのせいだと思われます。
無理を押して渡航すると
10日間の出社禁止が待っていたり
中には外国からの来客にはオフィス外で会うように
指示している会社もあるそうで
ほとんど戒厳令になっています。

一方でアメリカにいると
実に対応に差があると感じます。
中には早く感染したほうが重症度が少ないということを信じて
"swine flu party"(インフルエンザ感染パーティー)とか
アホなことをやっている人たちもいるようです。
(WHOは無謀なリスクを冒さないように強く指導をしています。)
'Swine flu party' a bad idea

この対応の差の理由を考えてみると
日本が島国で防御しやすいのに対して
アメリカはメキシコと地続きで
どう考えても感染の広がりは時間の問題
と考えていることがあると思いますが
どうも政治的なパフォーマンスであるような
気がしてしまいます。

確かに今回の検疫は一定の成果をあげており
ワクチン開発までに時間稼ぎができれば
被害は抑えられるかも知れませんが
一方で長期戦であることを考えた場合に
最適な資源配分であるかどうかは
疑わしい気がします。

当初よりWHOは
封じ込め(containment)は難しく
緩和(mitigation)にフォーカスすべきであると言っています。
"Containment is not a feasible operation"

WHOのブタインフルのFAQを見ると

Is it safe to travel?
Yes.
旅行しても大丈夫ですか?
はい

Does WHO recommend screenings at country entry and exit points to detect if ill people are travelling?
No.
WHOは入国や出国に際して検疫を推奨しますか?
いいえ


と明確に書いています。
いかに日本は行きすぎた対応しているかがうかがえます。

もしこのインフルエンザ災禍が
1-2ヶ月で終わるなら
鎖国でも籠城でもすればいいと思いますが
おそらくこの流行は数年にわたると予想されているので
長期戦を前提に
戦略的な対応が必要だと考えます。

そんなこんなで飛行機のなかで
偶然に隣り合った知人と
首をかしげながらも
「こんなにすいているならビジネスに座らせてくれればいいのに」
と文句を言いながらやってきたのでした。

参考
CDC H1N1 Flu(Swine flu)
WHO Influenza A(H1N1)


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インフルエンザ命名法

  • 2009/05/14(木) 07:42:06

インフルエンザ命名法

インフルエンザの報道が多くされるようになって
A型だといわれてみたり
H5N1型だといわれてみたり
混乱したりする向きがあると思うので
簡単に書いておきますと

A,B,Cというのはウイルス粒子を構成するタンパク質のうち
M1とNPタンパクの違いによる分類です。
これにより病態的、形態的、遺伝子的な違いが出ます。

一方でH5とかN1というのは
エンベロープ(ウイルスの殻)表面上の分子である
ヘマグルチニン (HA) とノイラミニダーゼ (NA) というタンパクの
(C型ではヘマグルチニン-エステラーゼ, HE)抗原性の違いです。
flus


これらはいわば骨格の違いで
これに加えてHAとNAに小さな変異は継続的に起こっており
これが毎年流行する株や亜型を変えています。


正式名称で
A/Brisbane/59/2007 (H1N1)
といった場合には
A型で(ヒトから)ブリスベンで2007年に分類された59番目のインフルエンザ
ということになります。

今回の豚インフルエンザの場合は
Influenza A/Mexico/2009 (H1N1)

もうひとつ懸念されている鳥インフルエンザは
A/turkey/England/5092/91
となっています。
ちなみにその鳥インフルエンザではこんなに亜型が見つかっています。


以下、もう少し複雑な話です。

A、B、Cとある中で
変異の起きやすさはA>>B>Cで
B,Cはその変異の起きにくさのため
一旦免疫を獲得すると長いこと(場合によっては一生)免疫が持続します。
逆にAは変異が非常に起きやすく
広い宿主を持っているためだといわれています。

インフルエンザが
ある宿主動物内での感染で閉じている場合、例えば

 ブタ←○→ブタ
 ブタ←×→ヒト
 ブタ←×→トリ

の場合には
ブタで変異が起きても
ヒトには感染は生じませんが
ウイルスが変異によって宿主間の感染能力を獲得して

 ブタ←○→ヒト
 ブタ←○→トリ

となるとブタで組換えられて起こった
新たな亜型でヒトが免疫を持っていないものが
ヒトの世界にやってくることになります。

でもこの段階はまだよくて
ブタへの接触を限定すれば
ヒトの世界では広まりませんが
ウイルスがさらに変異をして

 ヒト←○→ヒト

の感染能力も獲得すると
大変な事態になります。
今回のブタインフルエンザは
まさにこの状態にあるといえると思います。


一般に

 ヒト-○→ブタ
 トリ-○→ブタ

のパターンは多く成立し
それがゆえにブタはインフルエンザの
媒介動物として名をはせています。

先のA型のHAとNAの抗原型では
(H1~H16)×(N1~N9)
の組み合わせが
現在のところ可能性としてあるすべてのもので
水鳥においてはすべてが見つかっていますが
これまでにヒトで流行したのは
(H1, H2, H3)×(N1, N2)
の組み合わせなので
問題となっているH5N1型トリインフルエンザが
人間界にやってくると
免疫がないのでパンデミックになる可能性があります。

ワクチンはこの亜型毎につくらなければならないので
毎年流行する亜型を予想して
厚生労働省医薬食品局血液対策課長からの通知により型を決定し
半年以上前に製造に入るわけです。
この半年というリードタイムは
有精鶏卵でウイルスを培養するするためで
このリードタイムのせいで
流通するワクチンの型と
流行するワクチンの型がずれて
効かなかったりします。

現在は遺伝子組み換え技術によって
このリードタイムと製造能力を上げる研究開発がなされています。

参考:
Virology Blog
Virus Taxonomy Online
感染症情報センター:インフルエンザパンデミックの深刻度の評価


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REGiMMUNE to present at the 2009 American Transplant Congress

  • 2009/05/13(水) 00:35:55

本日プレスリリースを出しております。

今月30日から来月3日までにボストンで開催される米国移植総会(American Transplant Congress: 米国移植学会(ACT)とアメリカ移植外科学会(ASTS)の合同総会)において、当社の開発プロダクトRGI-2001の成果報告を行います。

本研究では動物モデルにおいてRGI-2001の単剤あるいは低用量ラパマイシン(Sirolimus)との併用によってTregの誘導、ドナー特異的免疫寛容の誘導、生存の延長が見られることを確認しております。これまでの研究成果により、Tregの誘導を介する新しいメカニズムによる免疫抑制剤であるRGI-2001は、GvHDのみならず、様々な症状の免疫疾患に対する新たな薬剤となる可能性を示すものです。

参考:
ATC 2009 抄録
日経バイオテク記事


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